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文献詳細

雑誌文献

臨床検査24巻6号

1980年06月発行

文献概要

Ex Laboratorio Clinico・42

無ハプトグロビン血症—特に家系内発生例を中心に

著者: 松友啓典1

所属機関: 1岐阜大学・第1内科

ページ範囲:P.684 - P.690

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ハプトグロビンの研究の概要
 血色素尿症を起こさせるとき,静脈内に注入する血色素量は各種の疾患で異なる1)ことが1915年ごろに知られていた.その後フランスのJayle2)ら(1938年)によって,血清中のヘモグロビン(Hb)と不可逆的に結合してペルオキシダーゼ活性を示す物質が存在することが認められ,それがハブトグロビン(Hp)と名付けられた.更にこの物質には二つの型が存在することが示され,その一つはネフローゼの患者の尿から分離され(Ⅱ型),もう一つはヒトの血清から分離された(Ⅰ型).それぞれの分子量は85,000,169,000くらいと算定され,Ⅰ型はⅡ型のHpがダィマーの形になったものであると報告されていたが,この方面の研究は当時このあたりまでで,余り発展していない.
 1955年Smithies3)のデンプンゲル電気泳動法の開発によって,この分野の研究はにわかに進展し,さきのJayleらが報告していたモノマー型とダイマー型は,Smithies分類によると1-1型と2-2型のHpに相当することが分かった.本邦におけるHpの調査報告は1958年4)ごろから行われている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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