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文献概要
多変量解析の応用・6
因子分析
著者: 古川俊之1 田中博1
所属機関: 1東京大学・医用電子研究施設
ページ範囲:P.699 - P.706
文献購入ページに移動はじめに
前回の主成分分析は,多数の特性変量で記述される個体間の変動をできるだけ少数の合成変量で要約することを目的としていたが,因子分析はやや異なった観点からこれと同様の分析を行うものである.主成分分析では特性変量群で記述される個体間の全変動から主成分を構成したが,因子分析はこの変動をあらかじめ各特性変量の変動に共通に含まれている変動成分と,各特性変量に独自に含まれる変動成分に分離し,共通に変動する成分のみに注目してこれをできるだけ解釈しやすい変動因子に分解し,その変動の由来を説明しようとする手法である.もちろん各特性変量の変動に占める共通成分や独自成分の割合は,得られたデータからだけでは一義的に決定できないので,各特性変量間の相関関係から適当な基準のもとに推定したり,あるいは分析者が分析の目的に応じて与える必要がある.
また以上のように定めた共通変動成分から因子を抽出するときにも,主成分分析のように一義的な方法があるわけではなく,分析の意図や目的に応じて様々な基準から抽出される.特に主成分分析はデータの要約に重点があるに対し,因子分析では各特性変量の共通変動成分を,それぞれ特徴を持った因子群の変動に分解して解釈することに重点が置かれ,寄与率の高い順に因子を抽出することには必ずしもこだわらない.
前回の主成分分析は,多数の特性変量で記述される個体間の変動をできるだけ少数の合成変量で要約することを目的としていたが,因子分析はやや異なった観点からこれと同様の分析を行うものである.主成分分析では特性変量群で記述される個体間の全変動から主成分を構成したが,因子分析はこの変動をあらかじめ各特性変量の変動に共通に含まれている変動成分と,各特性変量に独自に含まれる変動成分に分離し,共通に変動する成分のみに注目してこれをできるだけ解釈しやすい変動因子に分解し,その変動の由来を説明しようとする手法である.もちろん各特性変量の変動に占める共通成分や独自成分の割合は,得られたデータからだけでは一義的に決定できないので,各特性変量間の相関関係から適当な基準のもとに推定したり,あるいは分析者が分析の目的に応じて与える必要がある.
また以上のように定めた共通変動成分から因子を抽出するときにも,主成分分析のように一義的な方法があるわけではなく,分析の意図や目的に応じて様々な基準から抽出される.特に主成分分析はデータの要約に重点があるに対し,因子分析では各特性変量の共通変動成分を,それぞれ特徴を持った因子群の変動に分解して解釈することに重点が置かれ,寄与率の高い順に因子を抽出することには必ずしもこだわらない.
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