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文献詳細

雑誌文献

臨床検査24巻7号

1980年07月発行

文献概要

今月の主題 微量金属 カラーグラフ

水俣病(メチル水銀中毒)の病理

著者: 武内忠男1

所属機関: 1熊本大学・第2病理

ページ範囲:P.748 - P.750

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 水俣病は化学工業で使った無機水銀がメチル化し,魚介類にメチル水銀として蓄積し,それをヒトや動物が一定量以上摂取した場合に起こった中毒症である.そのメチル化は化学工場内の過程で副成されて排水とともに出されるものと,スウェーデンやカナダのように排水されて湖底バクテリアでメチル化するものなどがある.摂取メチル水銀化合物は体内で蓄積性があり,発症値以上になるとその量いかんにより,最重症者(死)から軽症者までの中毒患者が発生する.このものも脳血液関門を破り,脳実質に侵入し,神経系統を侵す特性を持っているが,一般臓器組織も全く無障害とは言えない.しかし臨床症状は主として脳神経障害である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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