icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床検査24巻7号

1980年07月発行

文献概要

研究

濁度測定法による血清中ヒアルロン酸の検出

著者: 藤田清貴1

所属機関: 1花園病院研究検査科

ページ範囲:P.823 - P.826

文献購入ページに移動
緒言
 ヒアルロン酸(以下HA)は1934年,Meyerら1)によってウシの眼のガラス体から分離きれ,命名されたものである.HAを含む組織としてはこのほか臍帯,皮膚,大動脈,関節液などが知られている2).これらの組織では一般に蛋白と結合し,HA—蛋白複合体として細胞間で結合水を採り,ジェリー状のマトリックスを形成して細胞を保持し,滑剤として働くとともに,外力とかバクテリアの侵入に対する保護の役割を果たしている.
 1957年,Deutsch3)はヒトの血清中からHAを検出し,国内でもHAによるものと思われるアルブミン分画異常が報告されるようになってきた4〜6).著者も7)老人において"カギ型"アルブミンを経験し,患者血清中からHAを証明した.しかしながら血中HAの増量の臨床的意義についての解明はまだなされていない.また検出,同定法についても,頻度が少ないためか,微量分析法としては電気泳動法7,8)以外,最良の方法は確立されていないのが現状である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?