文献詳細
文献概要
今月の主題 癌の臨床検査 技術解説
機能性腫瘍の免疫組織化学的診断法
著者: 川生明1
所属機関: 1日本大学・第1病理
ページ範囲:P.874 - P.879
文献購入ページに移動 機能性腫瘍(functioning tumor)の厳密な定義はないが,通常腫瘍がある特定の生体物質を産生・分泌する場合にその腫瘍は機能性であると言う.腫瘍が産生する物質は多様で,各種のホルモン,免疫グロブリンなどの血清蛋白,アルカリホスファターゼやアミラーゼなどの酵素,更にAFPやCEAなど胎児性蛋白と共通性を持つ癌関連抗原などがある.
これらの物質は体液中に分泌されるため,癌の診断,臨床症状の分析,術後の経過観察に有用な手掛かりとなるが,その場合,確かに腫瘍がその物質を産生しているという証拠が必要である.それを証明する方法の中で免疫組織化学的方法は最も効果的な形態学的手段の一つであり,今日多くの病理検査室において利用されつつある.本稿では上記の物質を病理検体を用いて検出・同定するために必要な具体的技術について解説したい.
これらの物質は体液中に分泌されるため,癌の診断,臨床症状の分析,術後の経過観察に有用な手掛かりとなるが,その場合,確かに腫瘍がその物質を産生しているという証拠が必要である.それを証明する方法の中で免疫組織化学的方法は最も効果的な形態学的手段の一つであり,今日多くの病理検査室において利用されつつある.本稿では上記の物質を病理検体を用いて検出・同定するために必要な具体的技術について解説したい.
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