文献詳細
文献概要
今月の主題 補体 技術解説
補体成分の活性の測定
著者: 近藤元治1 竹村周平1 吉川敏一1
所属機関: 1京都府立医科大学・第1内科
ページ範囲:P.1003 - P.1008
文献購入ページに移動ところが補体が細菌のような有害な細胞を破壊している限りにおいては,補体の役割は生体を守る立場にあるわけであるが,場合により自己の構成する細胞が破壊されるようになると,自己免疫疾患のように生体に害を与えることになりかねない.また補体の活性化に伴った分解産物として前述の白血球遊走因子のほかに,血管透過性を充進させるアナフィラトキシンや,好中球からライソソーム酵素を放出させる因子が産生され,炎症を起こすことも分かってきた.ちなみに皮膚に炎症が生じると発赤,発熱,疼痛が生じるが,これらはいずれも補体の関与した白血球遊走,血管透過性亢進,あるいはライソソーム酵素放出で説明できるのである.
掲載誌情報