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文献詳細

雑誌文献

臨床検査25巻10号

1981年10月発行

文献概要

今月の主題 RIを用いる検査 技術解説

RIによる換気と肺血流分布の検索

著者: 井沢豊春1

所属機関: 1東北大学抗酸菌病研究所内科

ページ範囲:P.1083 - P.1094

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 肺は,ガス交換に関与する肺動脈と,肺の栄養に携わる気管支動脈の二重の血管支配を受ける.同じく動脈といっても,前者は全身を循環して右心に帰った静脈血を容して低血圧で循環し(肺循環)(収縮期圧20mmHg,拡張期圧10mmHg,平均圧14mmHg),一方,気管支動脈は全身を循環すると同じ体血圧(収縮期圧134mmHg,拡張期圧80mmHg)で循環する動脈系(体循環)に属する,肺の機能は,全身を循環して心臓にもどった静脈血が肺で炭酸ガスと酸素の交換を行うことにあり,動脈血化した血液は肺静脈を経て左心にもどり,再び全身を循環する.これが肺の行うガス交換であり,通常,呼吸と呼んでいるものである.言い換えると,生体と外界との間に行われるガスの交換過程が呼吸である.
 さて,肺動脈から肺末梢の前毛細管や毛細血管床に達した静脈血は,これを取り巻く肺胞との間にガスの交換を行い,動脈血となって左心にもどるが,この肺動脈血の肺内での分布が,とりもなおさず肺動脈血流分布にほかならない.通常,呼吸器核医学で肺血流分布というのは,肺内における肺動脈血流分布を意味する.肺胞への酸素の供給,肺胞からの炭酸ガスの放出は,肺内外への空気の出入りによって行われる.肺への空気の出入り,これが換気である.したがって呼吸は,肺内に分布した肺血流と換気との間に行われるガス交換にほかならない.本稿では,更に非呼吸性肺機能についても言及する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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