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文献詳細

雑誌文献

臨床検査25巻12号

1981年11月発行

文献概要

今月の主題 輸血 技術解説

HLA抗原の検査法

著者: 荒木千枝子1 十字猛夫2

所属機関: 1日本赤十字社中央血液センター・血清 2東京女子医科大学輸血部

ページ範囲:P.1444 - P.1450

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 HLA抗原は,マウスにおけるH−2抗原と生物学的に相同の抗原であり,同種免疫において最も強い免疫原性を有するものの一つであることが知られている.この意味から,臓器移植,血小板などの血液成分輸血において供血者と受血者の適合性を決めるのに極めて重要な意味を持つ抗原系である.
 また,H−2抗原遺伝子座領域に,免疫応答遺伝子をはじめとして,生物学的に重要な遺伝子が存在することが知られている.ヒトにおいても,幾つかの疾患に対する(感受性及び抵抗性)遺伝子が,HLA抗原と密接な相関性を有することも明らかにされており,HLA抗原がこれらの遺伝子を解明するためのマーカーとして利用されている.例えば強直性脊椎炎の診断において,HLA-B 27抗原の有無は重要な手掛かりになってきている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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