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文献詳細

雑誌文献

臨床検査25巻12号

1981年11月発行

文献概要

アイソエンザイム・11

コリンエステラーゼ

著者: 五味邦英1 石井暢1

所属機関: 1昭和大学臨床病理

ページ範囲:P.1503 - P.1507

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はじめに
 コリンエステラーゼ(cholinesterase;ChE)はコリンエステルを加水分解して,コリンとカルボン酸を生ずる酵素で,生体内ではその酵素学的特性,生理的作用の差により二種類が存在する.すなわち,一方はアセチルコリンエステラーゼ(系統名acetylcholine hydrolase,EC 3.1.1.7, acetyl-cholinesterase,別名true cholinesterase)で特異基質としてアセチルβメチルコリン,至適基質としてアセチルコリンに作用し,酢酸とコリンとに分解する.この酵素は神経組織,赤血球に多く存在し,その生理機能に関与して分布している.他方コリンエステラーゼ(系統名acylcholine acylhy-drolase, EC 3.1.1.8, cholinesterase,別名pseudo-cholinesterase)は特異基質としてベンゾイルコリン,至適基質としてブチリルコリンというアシルコリン類に作用し,有機酸とコリンとに分解する.この酵素は血清,肝臓,腸管粘膜などに多く存在し,肝臓で産生され,その生理作用は恐らく神経筋肉系に関与しているのではないかと考えられているが不明な点が多い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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