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文献詳細

雑誌文献

臨床検査25巻13号

1981年12月発行

文献概要

今月の主題 血液ガス分析と酸—塩基平衡 技術解説

酸素解離曲線の測定法

著者: 小杉功1 岡田和夫1

所属機関: 1帝京大学麻酔科

ページ範囲:P.1555 - P.1562

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 血液による生体への酸素供給は酸素分圧(PO2),ヘモグロビン濃度に依存するところが大きいことは言うまでもないが,ヘモグロビンと酸素の親和性もまた重要な因子の一つであると言われている.ヘモグロビンと酸素の結合はPO2が上昇するに従って増加するが,その変化は直線関係ではなく,図1に示すようにS字状を呈し,PO2が150mmHgになると,ヘモグロビンはほぼ100パーセント酸素と結合し,ヘモグロビン1g当たり1.39mlの酸素と結合することができる.図1に示したヘモグロビンと酸素の結合率(oxgensaturation;酸素飽和度;SO2)とPO2の関係を示したグラフを酸素解離曲線(oxygen dissociation curve)と称している.
 酸素解離曲線が変化すると,図2に示すように末梢への酸素供給の状態が変わってくる.図2には2種の酸素解離曲線を示したが,左側(A)の酸素解離曲線を示すものに対して,右側(B)に寄った酸素解離曲線では,ある一定(40mmHg)以上のPO2を有する酸素が増加し,生体への有効な酸素供給量が増加することになる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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