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文献詳細

雑誌文献

臨床検査25巻13号

1981年12月発行

文献概要

Ex Laboratorio Clinico・60

我が国における臨床筋電図学の発展

著者: 津山直一1

所属機関: 1東京大学整形外科

ページ範囲:P.1619 - P.1621

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海外における筋電図学発展への功労者たち
 筋肉が活動する際に発生する微弱な電位を導出することによって筋の電気的活動状態をとらえることができるようになったのは,19世紀後半にさかのぼる.当時,H.Piperは表面電極を用いて筋活動電位の研究を行い,〈筋肉の収縮の状態〉,〈筋肉を支配する運動神経の生理学的機序〉,また〈異常な活動電位から神経筋系の疾患の把握〉などに応用したが,これらはPiperの業績であり,既に19世紀末に数々の研究を行い,1912年には"ElektrophysiologieMenschlicher Muskeln"という書物を出版している.しかし,表面電極によって皮膚の上から導出する筋電図では,漠然と筋全体の活動状態をうかがうにとどまり,その臨床応用は限られたものであった.
 なんといっても,今日の臨床筋電図学の発展・隆盛をみるに至ったのは,S.Sherringtonらによる,一つの前角運動細胞によって支配される筋線維グループの存在の確認と,E.D.Adrian & D.W.Bronkによる1927年の同芯針電極の考案を通しての運動単位(motor unit)または神経筋単位(neuro-muscular unit)の個々の電気的活動状態を分離して導出,記録することができるようになったのがきっかけであり,これによって筋電図は飛躍的に進歩したと言える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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