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HBs抗原精度管理調査—パネル血清の試み
著者: 遠山博1 奥山マチ子1 吉原なみ子2 福島誉子2 阿良隆2 堀越晃3 礒れい子4 神田靖男5
所属機関: 1東京大学附属病院輸血部 2国立予防衛生研究所血液製剤部 3筑波大学附属病院検査部 4帝京大学附属病院輸血部 5日本大学付属病院輸血部
ページ範囲:P.1649 - P.1654
文献購入ページに移動HBs抗原の検査はB型肝炎の診断ならびに予防上,極めて重要な検査であり,現在種々の術式の試験用キットを10以上のメーカーが製造,販売している.今回,各種の測定方法の鋭敏度,特異性を総合的に検討する目的でHBs抗原検査の精度管理調査を実施した.なお,測定方法はWHOによるthird generation test〔逆受身赤血球凝集反応(RPHA),ラテックス凝集反応(RPLA),酵素免疫固相法(ELISA),放射免疫法(RIA)〕とした.様々なキットが市販されている今日,正しい測定方法で検査が行われていることを前提としても,実際に検査を実施している人たちからも検査結果に関して不安を訴える向きも少なくない.同一のキットを使用しても検査施設や検査者が異なると検査結果が異なることが起こりうるが,多くの施設が市販キットを用いて検査している現状で,キット差,ロット差,検査者の違いがどのように反映するかを検討した.今回の調査は第1回目であり,まずいろいろな施設で同一検体を検査した場合,検査方法,メーカー,ロット差,検査者差などにどのような問題点があるかを明らかにすることを目的とした.
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