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資料
微量Na,K直接電極測定装置の使用検討
著者: 瀧正史1 山内逸郎1
所属機関: 1国立岡山病院小児医療センター
ページ範囲:P.1661 - P.1664
文献購入ページに移動はじめに
臨床検査部門において,イオン選択電極を利用し,Na+,K+,Cl−,Ca+などを測定できる専用分析計の普及は,近年目覚ましいものがある1,2).中でもNa+,K+濃度の電極法による測定には,大きく分けて2法が開発されている2).一つは従来の炎光法と同様,希釈した試料のイオン活量を測定する間接法と,他は全血,血漿及び血清をそのまま電極に浸して測定する直接法である.間接法では血清を試料とした方式のため,血清分離などの前処置を必要とするのに対し,直接法では全血を試料として血漿中のNa+,K+濃度を容易かつ迅速に測定できる利点があり,日常臨床上での緊急検査機器としてより有用であろう.しかし,この直接法においても,未熟児・新生児患者を対象とした場合,従来の電極法では検体量が多い(多くは250μl必要)のが欠点である.すなわち,新生児集中治療室で各種検査を組み合わせて行ったり,頻回に検査のため採血することを考慮すれば,成人症例と異なり,決して少ない検体量とは言えまい.
今回我々は,Na,Kイオン選択電極法としては最も検体量が少なく,全血で65μlと微量で測定可能のCor-ning社製902 Na/K分析計を試用する機会を得たので,その信頼性,有用性,問題点などを報告する.
臨床検査部門において,イオン選択電極を利用し,Na+,K+,Cl−,Ca+などを測定できる専用分析計の普及は,近年目覚ましいものがある1,2).中でもNa+,K+濃度の電極法による測定には,大きく分けて2法が開発されている2).一つは従来の炎光法と同様,希釈した試料のイオン活量を測定する間接法と,他は全血,血漿及び血清をそのまま電極に浸して測定する直接法である.間接法では血清を試料とした方式のため,血清分離などの前処置を必要とするのに対し,直接法では全血を試料として血漿中のNa+,K+濃度を容易かつ迅速に測定できる利点があり,日常臨床上での緊急検査機器としてより有用であろう.しかし,この直接法においても,未熟児・新生児患者を対象とした場合,従来の電極法では検体量が多い(多くは250μl必要)のが欠点である.すなわち,新生児集中治療室で各種検査を組み合わせて行ったり,頻回に検査のため採血することを考慮すれば,成人症例と異なり,決して少ない検体量とは言えまい.
今回我々は,Na,Kイオン選択電極法としては最も検体量が少なく,全血で65μlと微量で測定可能のCor-ning社製902 Na/K分析計を試用する機会を得たので,その信頼性,有用性,問題点などを報告する.
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