臨床検査25巻2号

1981年02月発行

研究

サーモグラムパターン分類による甲状腺腫瘤の診断

著者： 戸塚寿子¹ 川上憲司²

所属機関： ¹東京慈恵会医科大学中央検査部 ²東京慈恵会医科大学中央検査部放射線科

ページ範囲：P.189 - P.193

はじめに
　甲状腺腫瘤性病変の診断には従来，放射性ヨード，テクネシウムを用いた甲状腺シンチグラフィーが行われているが^1），最近は²⁰¹T1などの腫瘍親和性核種によるシンチグラフィー^2）も利用されている．また腫瘤の形態，内部構を知るのに超音波断層法^3），CT^4）が広く用いられている．
　甲状腺腫瘤に対しては，上述のイメージ診断法のほかに，サーモグラフィーの利用^5,6）も可能と思われるが，その普及はいまだ一般的でない．我々は今回，種々甲状腺腫瘤にサーモグラフィーを応用し，質的診断の可能性について検討した．