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文献詳細

雑誌文献

臨床検査25巻5号

1981年05月発行

文献概要

今月の主題 膵疾患 技術解説

アミラーゼ,リパーゼ

著者: 長田敦夫1 小口寿夫1

所属機関: 1信州大学第2内科

ページ範囲:P.497 - P.506

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 膵疾患の診断に有力であるアミラーゼ及びリパーゼの測定法と,臨床的意義について述べる.アミラーゼの測定法には多種類あるが,原理的には3種に大別され,簡便で再現性の良いchromogenic法,中でもブルースターチ法が最も広く用いられている.高アミラーゼ血症の鑑別にはアミラーゼを膵と唾液腺成分に分離するアミラーゼアイソエンザイム,腎での排泄動態より解析したACCRが欠かせない検査である.リパーゼは膵に特異性の高い酵素で,アミラーゼのように尿中の活性はないが唾液腺性疾患などでは血中に増量しない.最近は人工基質を用いたリパーゼの比色定最法などが普及し臨床的意義が明らかにされつつある.
 アミラーゼとリパーゼはともに慢性膵炎や膵癌では診断的意義は少ないが,急性膵炎では血中での出現あるいは消退時期が異なり,両者を同時に測定することによって,より正確に膵障害の病態を把握でき,診断や病期,予後の判定に役立つ.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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