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文献詳細

雑誌文献

臨床検査25巻5号

1981年05月発行

文献概要

Ex Laboratorio Clinico・53

術後の高アミラーゼ血症

著者: 池永達雄1

所属機関: 1虎の門病院消化器外科

ページ範囲:P.546 - P.551

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血清アミラーゼの謎
 血液中にアミラーゼが存在することは,既に1846年Magendieによって発見され,1867年にFosterはヒトの血液中のアミラーゼを既に定量的に測定し始めている1).以来血中アミラーゼの起源,その活性値と種々の病態との相関関係,特に膵疾患における血清アミラーゼ活性値(以下血清AM値)の変動の模様などが,多くの研究者によって精力的に調べられてきたが,血清アミラーゼの生化学的動態はなおも謎のベールに深く包まれたままである2)
 本来消化管内に外分泌されて食物を消化する役目の酵素であるアミラーゼが,どのようにして血液中に入るのか,しかももしなんらかの生体への働きを血清アミラーゼが営んでいるとしたら,その作用はなんであろうか,そして血中のアミラーゼは膵・唾液腺以外の組織からも分泌されるというが2,3),それはどこの組織からであろうか,更に血中のアミラーゼは尿に排泄される以外にはどこでどのように代謝されるのであろうか4),血中AM値は個々の人でほぼ一定であり,日内変動も極めて少ないが,どのようにして血中レベルが一定に保たれている2)のであろうかなど,血清アミラーゼにまつわる謎は枚挙にいとまがない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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