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研究
FITC干渉フィルターによるFTA-ABS法の検討
著者: 平田一郎1 小野田浩子1 友成正臣1 山屋駿一2 笠松重雄2 菅原孝雄2 松橋直2
所属機関: 1都立衛生研究所多摩支所 2国立予防衛生研究所細菌第2部
ページ範囲:P.561 - P.564
文献購入ページに移動梅毒の血清学的診断法としての螢光抗体法は,Deaconら(1957)のFTA−5法1)で初めて応用されて以来,1960年のFTA−200法2),Hunterら(1964)の吸収法3),更には内外の権威ある研究団体の検討,評価が行われ4〜7)迅速かつ特異性,鋭敏度の優れたFTA-ABS8〜10)法として実用化され,現在に至っている.
このFITCを用いた螢光抗体法では,495nmを中心とする励起光を与え,散乱励起光をシャープカットして,525nmを中心とする発光螢光を観察するのが最も効率の良い方法である.この観察方法によれば,低エネルギー励起で十分な発光螢光が期待できるはずである11〜14).しかし,FITCの吸収と発光のピークが近接しているため,1969年デンマークのOlsen15,16)が狭帯城フィルター(FITC干渉フィルター)の開発に成功するまでは,FITCの吸収効率の悪い部分を強力な励起エネルギーでカバーする観察方法8〜14,16〜18)に頼らざるを得なかった.
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