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研究
胆石構成成分の検討—胆石の中心性空隙にみられたパルミチン酸カルシウム結晶体
著者: 鈴木悦1 山森俊治2 岡田高治2 金井晃2 小野悌二2 小形岳三郎3
所属機関: 1筑波大学病院検査部病理部門 2三菱油化メディカルサイエンス 3筑波大学基礎医学系病理
ページ範囲:P.565 - P.568
文献購入ページに移動胆石の分類,分析は古くから数多くの人によって行われてきたが,基本的にはコレステロール系石とビリルビン系石,及び稀石に分けることができる.これらの胆石は種類によって構造が異なり,放射状,放射層状,層状,無構造などに分類されている.
近年この構造は走査電子顕微鏡でも確認され,その結晶構造が明らかになりつつある.また赤外線スヘクトロメーター,ガスクロマトグラ7イーなどによる分析によって,胆石を形成する種々の結晶の組織が明らかになりつつある1).一般に最も多いコレステロール系石は,平行四辺形の扁平なコレステロールの結晶体が主体であり1),ビリルビン系石には顆粒状構造1),脂肪酸石の葉状結晶1)などが確認・報告されている.我々は今回コレステロール色素石灰石を検査するに,その中心部空隙面上に今まで報告のないカーネーション様花片球状結晶体を認めたので,走査電子顕微鏡による結晶の構築像,赤外線スヘクトロメーターとガスクロマトグラフィーによる成分分析を行ったので報告する.
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