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文献詳細

雑誌文献

臨床検査25巻6号

1981年06月発行

文献概要

負荷機能検査・18

胃分泌機能検査

著者: 大江慶治1 三好秋馬1

所属機関: 1広島大学第1内科

ページ範囲:P.653 - P.659

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 胃分泌機能検査は,胃液を吸引採取して,その中に含まれる酸とペプシンを定量することににより胃分泌機能を知る方法である.胃液に含まれる酸とペプシンは胃粘膜病変発生における攻撃因子として重要な役割を演じ,したがってその分泌状態は,消化性潰瘍その他の上部消化管疾患の発生ならびに経過に重要な意義を持ち,治療のうえでも判断の基礎となるものである.
 胃分泌機能は基礎分泌と刺激分泌に大別される.基礎分泌は空腹時,すなわち胃内に食物が存在せず,胃が休止状態にあるとぎの分泌状態であり,刺激分泌は胃が活動状態にあるときの分泌,すなわち何らかの刺激に反応して行われる胃の積極的な分泌状態である.食物を消化するという胃の機能から考えて,基礎分泌を知るだけでは不十分であり,実際に活動している胃の分泌機能を知ることが必要である.これはヒトの場合.早朝空腹時を除いては基礎分泌に相当する時期はなく,それ以外の時期には,胃は食物の消化,輸送に従事して積極的に活動しているためである.すなわち,活動状態の胃分泌を知るために,各種の刺激を負荷して胃の分泌反応をみるのが刺激分泌検査であり,これはここで言う負荷機能検査に相当する.その意味で現在行われている胃液検査そのものが負荷機能検査であり,以下にその誕生のいきさつ,検査手技,検査結果の臨床的評価について述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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