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材料別細菌検査の進め方・11
真菌の検査法
著者: 増谷喬之1 播金収1 鷲津良道2 山中喜代治3 小栗豊子4 佐久一枝5 三輪谷俊夫6
所属機関: 1奈良県立医科大学附属病院中央臨床検査部細菌検査室 2京都府立医科大学附属病院臨床検査部細菌検査室 3大手前病院中央検査科細菌検査室 4順天堂大学医学部附属順天堂医院中央検査室細菌検査 5東京都立駒込病院臨床検査科細菌検査室 6大阪大学微生物病研究所細菌血清学部門
ページ範囲:P.1498 - P.1506
文献購入ページに移動真菌症は,皮膚科領域をはじめ,内科,耳鼻科,産婦人科などの臨床領域に広くみられるもので,その原因菌種の分離・同定が真菌症の診断,治療に重要な役割を演じている.しかし,一般細菌検査技術の向上に比べ,医真菌検査は,まだ十分に行われていないのが現状である.ここでは臨床各科から提出される材料よりの真菌の分離・同定までの手順をわかりやすく解説し,その実際面について記述する.
真菌症は,その感染部位によって毛髪,皮膚,爪,粘膜に病変部がとどまる表在性真菌症(superficialmycosis)と皮膚の深部層からさらに進んでリンパ腺や骨,内臓に及ぶ深在性真菌症(deep-seatedmycosis)とがある.前者のほとんどは皮膚科領域でMicrosporum属,Sporothrix属およびTrichophy-ton属などがよく分離され,後者では内科,産婦人科領域でAspergillus属,Candida属が分離されることが多い.また,角膜の外傷に続発して起こる真菌症を角膜真菌症(keratomycosis),外耳道を主な病変部とする真菌症を耳真菌症(otomy-cosis)と呼んでいる.
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