icon fsr

雑誌詳細

文献概要

今月の主題 風変わりな感染経路の感染症 総説

最近のわが国における流行性出血熱(韓国型出血熱)の発生とその対策

著者: 川俣順一1

所属機関: 1大阪大学

ページ範囲:P.279 - P.289

 流行性出血熱は戦時中,旧満州で当時の日本陸軍の間に流行した感染症であるとか,朝鮮動乱の際に国連軍に多発し,一方,1960年ごろから大阪市北区梅田周辺の市街地に発生したという程度の認識しか持っていなかったのは,あながち私のみではなかったであろう.ところが,1970年代の終わりに突然,わが国の動物実験施設に限局して発生するという特異な形で再登場し,われわれのきわめて身近な問題,しかも医学研究の基本にかかわる問題として対処しなければならなくなった.
 本稿では実験動物と流行性出血熱との関係を中心に述べるが,そのためには本症の臨床症状や診断にも触れる必要があると思うので,それらについても概説する.

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?