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文献詳細

雑誌文献

臨床検査26巻6号

1982年06月発行

文献概要

今月の主題 ショック 技術解説

血中エンドトキシンの測定

著者: 大林民典1 河谷忠1

所属機関: 1自治医科大学臨床病理学教室

ページ範囲:P.635 - P.641

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 エンドトキシン(内毒素)とはGram陰性菌の細胞壁を構成する成分の一つで,図1に模式的に示したようにリピドAと呼ばれる脂質部分と,一定の化学組成を示し菌種によって変化しないコアと呼ばれる多糖部分,およびO抗原に相当し菌種によって異なるリピートユニットと呼ばれる多糖部分から成る分子量約100万のリポ多糖体(Lipopolysaccharide;LPS)である.その毒性はリピドAの部分に存在し,発熱,白血球減少,血圧低下,補体C3の活性化,播種性血管内凝固(disseminated intravascular coagulation;DIC),ショックなど多彩な生物学的活性を有している.このような働きを持つエンドトキシンを測定することは,単に感染症の早期診断や,あるいは抗生剤などを投与していて培養が陰性の場合の診断に役立つのみでなく,DICやショックの病因論的解明のうえからも,非常に重要である.またGram陰性菌には,大腸菌をはじめSalmonella, Klebsiella,インフルエンザ桿菌,緑膿菌など日常われわれが臨床的によく遭遇する細菌が数多く含まれており,それだけ血中エンドトキシン測定の臨床的意義も大きいと言える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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