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文献詳細

雑誌文献

臨床検査26巻7号

1982年07月発行

文献概要

今月の主題 血漿蛋白 検査と疾患—その動きと考え方・67

良性M蛋白血症

著者: 大谷英樹1

所属機関: 1北里大学医学部臨床病理学

ページ範囲:P.796 - P.803

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 M蛋白は単一クローン性免疫グロブリンとも呼ばれ,Mはmonoclonalの頭文字をとったものである.M蛋白の特徴は,均一(単一)の免疫グロブリンであるから電気泳動上幅狭い染色バンドあるいは尖鋭なピークを呈し,また免疫電気泳動では正常の免疫グロブリンには見られない異常の沈降線(M-bow)として認められることである.ただ,免疫グロブリン・フラグメントなどのM蛋白では幅広いバンドとして観察されることがあるので,注意しなければならない.
 日常の電気泳動法によってM蛋白の存在が疑われる場合には,次に免疫電気泳動法を用い,M蛋白の種類,つまり免疫グロブリンのH鎖のクラスならびにL鎖の型を決定することがたいせつである.M蛋白が同定された場合には,さらにそのM蛋白が骨髄腫とか原発性マクログロブリン血症などの悪性腫瘍細胞から産生された,いわゆる悪性M蛋白血症なのか良性(または本態性) M蛋白血症かを鑑別しなければならない(表1).骨髄腫では骨髄腫細胞,原発性マクログロブリン血症ではリンパ球様異常細胞という悪性細胞によってM蛋白が産生される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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