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研究
レーザーネフェロメーターによるCRP測定の検討
著者: 松永清二1 井上武志1 山本成郎1 遠藤雄一1 大滝幸哉1
所属機関: 1宮崎医科大学附属病院検査部
ページ範囲:P.833 - P.837
文献購入ページに移動レーザーネフェロメーター(以下LN)による血中CRPの測定については,方法が定量的であり,かつ迅速であるという点から有用視されてきた.しかしながらその測定条件については多くの検討がなされてきたにもかかわらず,まだいくつかの問題が残されている.特に被検血清中の補体成分の不活化の是非については,LNで通常よく測定されている免疫グロブリソなどの血清蛋白とは異なり,多くの検討がなされ,不活化したほうが,従来の毛細管法などとの相関も良いとされている1〜6).しかし不活化前後のCRPと抗体の反応解析に関する報告は少ない.また,CRPには免疫電気泳動上区別される異なるタイプのCRPが存在すること7)が,さらに問題を複雑にしている.すなわち異なるタイプのCRPに対するLNによる測定の特異性の問題はまだ報告はなされていない.
今回,われわれは最適な測定条件の設定を目的に,CRP測定における補体の不活化,CRPのタイプおよび測定感度を上げるために使用されているポリエチレングリコール(以下PEG)の濃度の三者について検討し,興味ある結果を得た.
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