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文献詳細

雑誌文献

臨床検査26巻8号

1982年08月発行

文献概要

今月の主題 レセプター病 技術解説

エストロゲン—プロゲステロンレセプターの測定

著者: 岡本茂1 古林芳範1 松本圭史1

所属機関: 1大阪大学医学部病理病態学教室

ページ範囲:P.892 - P.898

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 特定のステロイドホルモンが,その標的細胞に作用して特定のホルモン効果を発現する際,その第一歩としてホルモンが標的細胞内の蛋白に特異的に結合することが,近年の研究により明らかになった.標的細胞内に存在するホルモンと特異的に結合する蛋白を,ステロイドホルモンレセプターと言う.ホルモンレセプターの概念は,単にホルモンの生化学的な作用機構の解明の糸口だけでなく,広く臨床医学の分野で疾患の病因論や癌治療の領城に導入されている.特に臨床検査上重要なのは,ヒト乳癌,前立腺癌などの組織中のレセプター検索であると思われる.ヒト乳癌に限れば,その組織中にエストロゲンおよびプロゲステロンレセプターを持つ症例の7割は,エストロゲン除去を主目的とする内分泌療法に反応して腫瘤の退縮をもたらす(ホルモン依存性癌)が,レセプターを持たない例では1割しか内分泌療法に反応しない1).つまり,エストロゲン—,プロゲステロンレセプターの検索は,内分泌療法を施行すべきかどうかを決定する一つの基準となる.近年になって比放射活性の高い放射性ステロイドホルモンが開発されるに及んで,レセプター測定は容易になった.検出方法にはデキストランコーティッドチャコール法(Dextran-coated charcoal;DCC法),ショ糖密度勾配遠心法,プロタミンサルフェイト法などがあるが,この稿では,簡単な操作で多数の検体の処理ができ,しかも信頼性の高いDCC法について述べたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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