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クレチン症マススクリーニングにおける乾燥濾紙血液の問題点
著者: 松本勝1 穴沢昭1 中島和子2 村田光範2
所属機関: 1東京都予防医学協会 2東京女子医科大学第二病院小児科
ページ範囲:P.955 - P.958
文献購入ページに移動新生児甲状腺機能低下症(クレチン症)は,生後5〜7日目に新生児の足蹠から全血を濾紙上に採血した乾燥濾紙血液を用い,甲状腺刺激ホルモン(TSH)を指標として,行政レベルでマススクリーニングが行われている1).マススクリーニングにおいて検体とする乾燥濾紙血液は,全血を濾紙に採血するために新生児のヘマトクリット(Ht)値の違いがTSH測定結果に影響を及ぼすことが心配されていた.現在,TSH測定に際し標準曲線作成濾紙血液(標準濾紙血液)はHt 50〜55%に調整したものを用いている2)が,新生児生後5〜7日のHtは30〜75%まで幅広く分布しており,個人差がある3).このHt値の違いがクレチン症スクリーニングのTSH測定にいかなる影響を与えるか検討を行った.
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