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私のくふう
眼球運動と脳波の鑑別記録法
著者: 堺雄三1 北村節子1
所属機関: 1九州大学医学部附属病院検査部
ページ範囲:P.959 - P.959
文献購入ページに移動 頭皮上に波及する眼球運動電位は,その波形が脳波と似ているので,脳波を判読するときにしばしば妨げとなる.このため脳波検査を実施するときには,眼球運動電位の同時記録が必要である.一般には,眼窩近縁部の電位を耳朶,乳様突起,鼻根上部などを基準にして導出している.しかし眼窩近縁部をはじめ,これらすべての部位には眼球運動電位が頭皮上に波及するのと同じように,脳波もまた波及しており,眼球運動電位だけの選択的記録になっていない.筆者らは,一側の眼窩近縁部に二つの電極を近づけて置くことで,脳波の混入を防げ,眼球運動電位だけを選択的に記録することができるのではないかと考え,両眼のそれぞれの眼窩近縁部に二つの電極を2〜3cmに近づけて置く方法を検討した.
すなわち,一つは眼窩外側縁のすぐ上部(図1-A,A′)に,もう一つを眼窩下縁中央の内側(図1-B,B′)に置き,電位差(A-B,A′-B′)を導出した.(以下この導出法を"接近法"とする.)この"接近法"で記録される眼球運動電位が"前頭部—耳朶"導出で記録される眼球運動電位と同極性になるように,脳波計に入力し脳波記録の1/2増幅で脳波と同時記録した.その結果,"接近法"にはほとんど脳波が見られず(振幅が前頭部脳波の1/10〜1/40に減衰する.),眼球運動電位だけが,"前頭部—耳朶"で記録される眼球運動電位と同等以上の振幅で記録された(図2).
すなわち,一つは眼窩外側縁のすぐ上部(図1-A,A′)に,もう一つを眼窩下縁中央の内側(図1-B,B′)に置き,電位差(A-B,A′-B′)を導出した.(以下この導出法を"接近法"とする.)この"接近法"で記録される眼球運動電位が"前頭部—耳朶"導出で記録される眼球運動電位と同極性になるように,脳波計に入力し脳波記録の1/2増幅で脳波と同時記録した.その結果,"接近法"にはほとんど脳波が見られず(振幅が前頭部脳波の1/10〜1/40に減衰する.),眼球運動電位だけが,"前頭部—耳朶"で記録される眼球運動電位と同等以上の振幅で記録された(図2).
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