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文献詳細

雑誌文献

臨床検査26巻9号

1982年09月発行

文献概要

今月の主題 尿の臨床検査 総説

尿の生成機序

著者: 酒井紀1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学第二内科

ページ範囲:P.1019 - P.1025

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 腎臓は複雑な構造を持ち,尿を生成する重大な機能を持っている.特に,腎は尿を生成することによって,体内の過剰な物質を体外に排泄する,いわゆる清掃係を務めているだけでなく,必要な物質を保持するとともに,ある種の物質を産生することによって,つねに生体の内部環境を調節する整備係としての働きも持っている.
 われわれの腎臓では,このように体液の恒常性(ホメオスタシス)を保つために,第一に非揮発性の代謝産物や異物の排泄,第二に水・電解質代謝の平衡維持,第三に細胞外液量や浸透圧の調節,第四に酸・塩基平衡の調節,第五にある種のホルモン産生など,五つの重大な働きを行っている.したがって,腎にはこのような過程でできてきた物質(原尿)を,生体にとって入り用なものと,不要なものとに選別して,尿を作り出す作業が要求されている.このために,糸球体での限外濾過作用,濾過液の尿細管からの再吸収作用および尿細管からの分泌作用,このような三つの基本的な機能によって尿が生成されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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