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文献詳細

雑誌文献

臨床検査27巻11号

1983年11月発行

文献概要

特集 臨床細菌検査 Ⅲ.疾患別検査の進め方

4.消化器 1)消化管

著者: 瀬尾威久1 正司房2 松原義雄1

所属機関: 1東京都立豊島病院感染症科 2東京都立豊島病院検査科

ページ範囲:P.1260 - P.1267

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 消化管感染症の原因となる微生物はウイルス,細菌,原虫ときわめて多様であるが,ここでは細菌によるもの,特に法定伝染病病原菌の検索を主体として取り上げたい.また鑑別を要する他の細菌性腸管感染症についても概説するが,それらの詳細については別項の「食中毒」および「嫌気性菌感染症」に譲る.
 法定伝染病の起因菌は,他に感染する恐れが強いため,特に迅速な同定が要求される.また法定伝染病と診断された場合には,患者は強制隔離され,同時に家族検便あるいは周辺の消毒が行われるなど,本人はもとより家族らに対しても著しい影響を与えることになるので,菌の同定には特に慎重かつ正確を要する.万一他の細菌を法定伝染病の起因菌と見誤って報告した場合には,関係者に多大な迷惑を及ぼすことになる.一方では防疫上その同定には迅速さが要求されるので,細菌検査に従事する者は日ごろから法定伝染病起因菌の検査には特に熟達しておく必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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