icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床検査27巻11号

1983年11月発行

文献概要

特集 臨床細菌検査 Ⅲ.疾患別検査の進め方

12.蛋白毒素の簡易検出法

著者: 本田武司1

所属機関: 1大阪大学微生物病研究所

ページ範囲:P.1323 - P.1330

文献購入ページに移動
 病態の多くを,細菌が産生する蛋白性外毒素によって説明できる一群の細感染症がある.有名なHar-rison内科書(第6版)には,このような疾患については項目を分けて「毒素産生菌による疾患」として記載されている.このような疾患の真の起病菌の同定には,分離菌の毒素産生能の有無の判定が必須である.蛋白質化学の進歩に伴い感染・発症における細菌性蛋白毒素の役割が次々明らかにされるようになり,今後,一般臨床検査室でも細菌の産生する毒素の検出・定量が必要となってくる機会はますます増加してくることであろう.
 ところで,細菌の産生する蛋白毒素の量は一般にきわめて微量であるために,毒素の検出・定量には種々の工夫が必要である.表1に蛋白毒素の検出法の原理をまとめて示したが,蛋白毒素の検出には,①毒素の持つ毒作用そのものを何らかの生物系を用いて測定する生物学的方法,②毒素に対する特異抗体を用いて毒素を測定する免疫学的方法,さらに,③近年の遺伝子操作技術の進歩に伴って開発された毒素産生遺伝子そのものを検出する方法の三つに大別できる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?