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特集 臨床細菌検査
Ⅵ.薬剤感受性測定法
著者: 五島瑳智子1 金子康子1
所属機関: 1東邦大学医学部微生物学
ページ範囲:P.1397 - P.1411
文献購入ページに移動 臨床細菌検査室における薬剤感受性試験の最大の目的は,感染症の治療に適切な抗菌薬を選ぶことにある.すなわち,正確に検出した原因菌に,どの薬剤が抗菌作用を示すか,またどの程度の抗菌力があるかを測定するのであるから,当然正確さと同時に迅速性が要求される.一方,分離された細菌の薬剤感受性の成績から,各菌種の感受性パターンの推移を知るための,疫学的調査にも応用される.
薬剤感受性測定方法には大別して拡散法と希釈法とがある.拡散法は迅速性,簡便性を目標にした薬剤含有ディスクを用いたディスク法がもっとも広く使われている.希釈法は定量的に最小発育阻止濃度(mini-mum inhibitory concentration;MIC)を求める.寒天平板希釈法と液体培地希釈法がある.後者の方法では続いて最小殺菌濃度(Minimum bactericidal con-centration;MBC)も測定できる.MIC測定は手数がかかるので日常検査にはもっぱらディスク法が用いられてきたが,MICで得られる感受性値は薬剤の体内動態のデータとの関連においてin vivo効果,臨床効果を推測するのに有用であるため,近年,MIC測定を自動機器で行う方向に向いつつある.
薬剤感受性測定方法には大別して拡散法と希釈法とがある.拡散法は迅速性,簡便性を目標にした薬剤含有ディスクを用いたディスク法がもっとも広く使われている.希釈法は定量的に最小発育阻止濃度(mini-mum inhibitory concentration;MIC)を求める.寒天平板希釈法と液体培地希釈法がある.後者の方法では続いて最小殺菌濃度(Minimum bactericidal con-centration;MBC)も測定できる.MIC測定は手数がかかるので日常検査にはもっぱらディスク法が用いられてきたが,MICで得られる感受性値は薬剤の体内動態のデータとの関連においてin vivo効果,臨床効果を推測するのに有用であるため,近年,MIC測定を自動機器で行う方向に向いつつある.
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