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文献詳細

雑誌文献

臨床検査27巻12号

1983年11月発行

文献概要

今月の主題 輸液と臨床検査 カラーグラフ

輸液オスモティックネフローシス

著者: 飯高和成1 前田順子1 鈴木かおる1 和久茂仁1 芹沢俊明2

所属機関: 1獨協医科大学第二病理学教室 2獨協医科大学付属病院病理科電子顕微鏡室

ページ範囲:P.1446 - P.1448

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 今世紀初めごろから,脳浮腫の改善や利尿の目的で,ショ糖やマンニトールなどの高張輸液を受けた患者や,血漿増量剤のデキストランを投与された患者の腎の近位尿細管上皮細胞に水腫状,空胞状腫脹が出現することが相次いで報告され,ショ糖腎症と呼ばれた.その後,Allen1)は浸透圧の関与で空胞が発生すると考え,オスモティックネフローシスという言葉を提唱した.しかし,近年では,空胞の発生機序としてパイノサイトーシスが注目されており,オスモティックという言葉は不適当とする見解もみられる2〜4)
 しかしながら,数多くの動物実験や人体例の報告がなされており,尿細管上皮細胞の空胞状腫脹への輸液の関与は腎の再吸収のメカニズムを解明するうえで興味深い問題であろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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