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文献詳細

雑誌文献

臨床検査27巻12号

1983年11月発行

文献概要

学会印象記

第8回国際細胞学会議(モントリオール)/第3回日本臨床化学会夏期セミナー

著者: 高橋正宜1

所属機関: 1岐阜大学医学部第一病理学講座

ページ範囲:P.1501 - P.1501

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演題数に現れた日本の経済事情
 モントリオールの語原は"ほんとうの山"というところにあるらしいが,丘のような山を囲んでセントローレンス川の流れる,美しい都市である.フランス系居留地として発達したカナダ第一の大都市であるが,合衆国の都市にみられるような騒がしさもない静かな町並みは,第7回国際細胞学会議の南ドイツミュンヘンを思わせる風情があった.
 今回の第8回国際会議は市の中心地にあるQueenElizabethホテルを会場として6月19日から23日まで開催され,一般講演275,展示21,特別講演7,招請講演9,パネル6,スライドセミナー1を消化する厳しい日程となった.口演出題国は32か国に及び,出題数の多い国別にみると日本が80題で1位を占め,主催国のカナダが51,米国が38,中華人民共和国12,インド10,西ドイツ10,スウェーデン8,などという状態で,中南米諸国はほとんどみられず,各国の代表者がパネルに参加したにすぎなかった.これは学術的進歩を必ずしも物語るものではなく,諸外国の経済的な外貨事情の一面が大きいことを,アルゼンチンのLencioni教授が羨望をもって指摘した.日本の細胞学会の会員数が4,000人を超えることを説明し,80題の出題が決して膨大なものでないことを話題として強調せざるをえなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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