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研究
遊離グリセロールを測り込まないトリグリセリド測定試薬の評価
著者: 大久保滋夫1 眞重文子1 亀井幸子1 大久保昭行1 山中學1
所属機関: 1東京大学医学部附属病院中央検査部
ページ範囲:P.329 - P.332
文献購入ページに移動トリグリセリド(TG)は,血清中の脂質中総コレステロールに次ぐ項目として扱われているが,操作が煩雑な化学的な測定法に代わって,酵素的測定法が開発され格段に簡便となった.初期の酵素法は,TGを化学的に加水分解して生じたグリセロールを酵素法にて測定したものであったが,現在では,ほとんどのキット試薬が全反応過程に酵素を用いている.しかし,これらの酵素法は,TGを加水分解して得られたグリセロール以外に血清中の遊離グリセロールを含めた総グリセロール量を測定してしまうことが問題点である.加水分解酵素を除いた反応系で血清中の遊離グリセロール量を測定し,ブランクとして差し引くことで,この問題点を回避することができるが,用手では.二重手間であり,自動化機器では,ブランクチャンネルを設けなくてはならなくなり,機器,試薬の二重の面で不経済である.今回,協和メデックスより発売された遊離グリセロール消去法によるTG測定キット「デタミナーTG-S」を検討する機会を得たので,その成績について報告する.
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