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今月の主題 循環器〈生理検査〉 総説
デジタル血管造影法
著者: 阿部博幸1 長坂英雄1 氷見和久1 内村忍1 竹本明子1 林田憲明1 鎌田力三郎1 早川純輔2 岡野光臣2 相沢利彦2 松浦衛2
所属機関: 1日本大学医学部放射線医学教室 2日本大学医学部附属病院放射線部
ページ範囲:P.381 - P.392
文献購入ページに移動デジタル血管造影法はデジタルX線映像法(digital radiography)の一つで,digital subtrac-tion angiography (DSA),digital video angio-graphy (DVA)などとも言われる.
本法は,造影剤の静注により動脈系の画像を得ようとするもので,1939年RobbとSteinberg1)の先駆的な業績がある.しかし,造影剤濃度の薄い動脈を画像化するには種々の画像処理が必要で,1970年初期から,ウィスコンシン大学のMist-retta2,3)らによりその基礎的研究が進められていた.1970年後半には,アリゾナ大学,クリーブランド・クリニックなどで大規模な臨床応用に成功し,カテーテルを使用しない非侵襲的血管造影法として,一気に注目を集めた感がある.血管造影に際して,人体を透過したX線強度を検出器で受け,その出力をデジタル信号化し,種々の処理を行った後,再び映像化するものである.検出器の種類により,三つの方法に分類される.すなわち,イメージ・インテンシファイア(I.I.)を使用するdigital fluorography (DF),C Tの検出器を使用するscanned projection radiography (SPR),高感度イメージングプレートを使用するFuji compu-ted radiographyがそれである.
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