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今月の主題 細菌性食中毒 カラーグラフ
細菌性食中毒
著者: 三輪谷俊夫1
所属機関: 1大阪大学微生物病研究所
ページ範囲:P.600 - P.601
文献購入ページに移動 厚生省では食品衛生調査会食中毒部会からの意見具申に従い,環境衛生局食品衛生課長名で昭和57年3月11日付・環食第57号により,食中毒原因菌として8種類の菌種を新たに追加する旨,関係者に通達された.①Vibrio cholerae non-O1(NAGビブリオ),②Vibrio mimicus,③Vibrio fluvialis,④Campylobac-ter jejuni/coli,⑤Yersinia enterocolitica,⑥.Aero-monas hydrophila,⑦Aeromonas sobria,⑧Plesio-monas shigelloidesの8菌種である.さらに食中毒原因菌としてセレウス菌,ウェルシュ菌を再確認するよう強調されている.病因論的には未解決の菌種も含まれているが,なぜこのように多くの菌種が食中毒原因菌として追加されたのであろうか.
WHOの調べによると,発展途上国では1980年中に下痢疾患に罹患した5歳児以下の乳幼児は約10億人に達し,そのうち460万人が死亡していると推定されている.感染性下痢症の重要性はただ発展途上国のみの問題ではなく,旅行者下痢症や輸入生鮮食品──特に輸入生鮮魚介類を介していろいろな下痢原因菌が持ち込まれ,わが国の自然環境もこれらの腸管感染原因菌によって濃厚に汚染されてきている.
WHOの調べによると,発展途上国では1980年中に下痢疾患に罹患した5歳児以下の乳幼児は約10億人に達し,そのうち460万人が死亡していると推定されている.感染性下痢症の重要性はただ発展途上国のみの問題ではなく,旅行者下痢症や輸入生鮮食品──特に輸入生鮮魚介類を介していろいろな下痢原因菌が持ち込まれ,わが国の自然環境もこれらの腸管感染原因菌によって濃厚に汚染されてきている.
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