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文献詳細

雑誌文献

臨床検査27巻6号

1983年06月発行

文献概要

今月の主題 細菌性食中毒 技術解説

新たに認識された食中毒原因菌の検査法

著者: 伊藤武1 斉藤香彦1 柳川義勢1

所属機関: 1東京都立衛生研究所微生物部細菌第一研究科

ページ範囲:P.602 - P.617

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 細菌性食中毒の原因菌としては,従来からサルモネラ,腸炎ビブリオ,黄色ブドウ球菌,腸炎起病性大腸菌(病原大腸菌:広義),ウェルシュ菌,セレウス菌およびボツリヌス菌が知られていた.ところが,最近,細菌学の基礎研究や検査技術の進歩により,従来からあまりなじみのなかった新顔の細菌による集団下痢症や散発性の下痢症が明らかにされてきた.これらの疾病の中にはヒトからヒトへの伝播もみられ,行政対応が時として問題とされていた.これに対処して厚生省は,Vibrio cholerae non O1とVibrio mimicus (いわゆるNAGビブリオ),Vibrio fluvialis,Campylobacter jejuni/coli,Yersinia enterocolitica,Aeromonas hydrophila,Aeromonas sobria,Plesiomonas shigelloidesによる下痢症も従来のサルモネラなどの食中毒にとられているような対策によってこれらの疾患が予防できることから,すべて食中毒として行政対応するよう通達を出した.したがって,現在,細菌性食中毒の原因菌は,感染型である13菌種と毒素型の3菌種である(表1,2).食中毒発生時の原因究明には,これらのすべての病原菌が検索できる検査体制を完備する必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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