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文献詳細

雑誌文献

臨床検査27巻6号

1983年06月発行

文献概要

今月の主題 細菌性食中毒 総説

食中毒原因菌追加の意義と経緯

著者: 藤原喜久夫1

所属機関: 1筑波大学社会医学系

ページ範囲:P.633 - P.640

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 従来,わが国においては行政上,食中毒原因菌として腸炎ビブリオ,ブドウ球菌,サルモネラ,病原大腸菌,ボツリヌス菌の5種が特定されている.しかしながら,最近の多数の食中毒に関する研究によると,これらの食中毒原因菌種のほかにも,ナグビブリオをはじめとして,カンピロバクター,エルシニアなどかなりの数の菌種の細菌類が食中毒の原因菌として確認されている.ここにおいて,食品衛生調査会は1982年1月,これらのうち7種の細菌について食中毒原因菌として食品衛生上の取り扱いをするよう厚生大臣に意見具申し,これを受けて同年3月,厚生省はこれらの菌種を食中毒原因菌に特定し,行政上の措置を行うよう全国の各都道府県,政令市などに通達した.
 本稿においては,これらの新たに食中毒原因菌として特定された各菌種について,それぞれの臨床的および疫学的意義に関して概説し,わが国の食品衛生上問題となる諸点について若干の考察を試みたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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