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文献詳細

雑誌文献

臨床検査27巻6号

1983年06月発行

文献概要

私のくふう

N・Fアンモニア銀液作製の簡便法

著者: 渡辺直子1 増村祥子1 諏訪幸次1 糸山進次1

所属機関: 1東京大学医学部病理学教室

ページ範囲:P.671 - P.672

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 細網線維(好銀線維)の鍍銀法はGömöri1),渡辺2)らによってほぼ確立されている.これらは,Biel-showskyのアンモニア銀を用いた神経線維鍍銀法を基にしている.
 1974年に,NaoumenkoとFei-gin3)によって発表された鍍銀法に使用されたアンモニア銀液は,8%硝酸アンモニウム7mlに蒸留水35ml,4%水酸化ナトリウム8ml,10%硝酸銀3.8mlを順次加えて作るが,この方法は,それ以前の方法,すなわち硝酸銀水溶液と水酸化ナトリウム水溶液の混合によってできる茶褐色の沈殿を含む液にアンモニア水を加えて作る方法に比べて,技術的に容易になった.さらに,この液は比較的共染が少なく,切片がはがれることも少ないなどの利点が多く,わが国では旧来の渡辺鍍銀法の中にこのNaoumenkoとFeiginの方法によるアンモニア銀液が取り入れられて(新しい)渡辺法,またはN・Fの渡辺変法4)として使用されている.渡辺および岩垂5)らによると,このアンモニア銀液は,衝撃や加熱によって爆発するおそれがあるため使用のつど新調し,使用後は塩酸を加え,塩化銀沈殿として処理するよう書かれている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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