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文献詳細

雑誌文献

臨床検査28巻10号

1984年10月発行

文献概要

今月の主題 男と女 性差 生理機能

筋力

著者: 秩父志行1

所属機関: 1近畿大学医学部第一生理学教室

ページ範囲:P.1144 - P.1145

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1.筋収縮の様式と筋力
 骨格筋が短縮し張力を発生する場合,筋長がほとんど変化せずに張力を発生する等尺性収縮iso-metric contraction,同一の張力を発生しつつ筋長が短縮する等張性収縮isotonic contraction,筋長を等速度で短縮しつつ張力を発生する等速性収縮isokinetic contractionの3種が原則的に区別される.筋力muscle strengthという用語には明確な定義はないが,一般には等尺性収縮にともなって発生する最大張力をさすことが多い.しかしながら脊椎動物において骨格筋が機能している状態で発生する張力は厳密には等尺性収縮によるものではなく,しばしば筋の静止長の90%近くまで短縮する筋もあるので一部等張性収縮の要素も内包されており,動態収縮dynamic contractionと表現する方が適切であろう.
 骨格筋は機能上,姿勢保持に関与する抗重力筋と,関節の開角度変化を主とする運動筋とに大まかに区分することができるが,もちろん個々の筋は状況に応じて程度の差はあっても両方の機能を行っている.これら筋の発生する張力は機能による差異はないと考えられ,筋の有効断面積に比例し,1cm2あたり4〜10kg,平均6kgの張力を発生する.この値は単収縮twitchによる張力よりもはるかに大きく,持続的につづく強縮contrac-tureの時の張力である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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