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文献詳細

雑誌文献

臨床検査28巻10号

1984年10月発行

文献概要

今月の主題 男と女 性差 生理機能

体温

著者: 中山昭雄1

所属機関: 1大阪大学医学部第二生理学教室

ページ範囲:P.1148 - P.1149

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1.表層温と深部温
 人体各部位の温度で比較的一定に保たれているのは深部coreの温度であり,表層shellの温度はかなり大きく変動する.体温調節の面からすれば,むしろ表層温が変化することによって深部温が一定に保たれるのである.Coreとshellは解剖学的な実体に対応するものではなく,機能的な概念であるが,体表から1cmくらいの層を考えると,その全容積は全身の1/5を占める.表層温で容易に記録できるのは皮膚温である.快適な温熱環境で34℃くらいである.寒冷環境では手足の皮膚温低下が著明であるが,体幹部ではわずかである.身体運動の開始とともに皮膚温の低下が手指,前腕,上腕の順に起こり,低下の程度もこの順序に大である(図1).腋窩温は腋窩に一時的につくられた空洞の温度で,皮膚温でもなく深部温でもない特殊な温度で,ほぼ一定値に達するのに10分以上を要する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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