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研究
エンザイムイムノアッセイ法によるポリマー化ヒトアルブミン結合性HBs抗原の測定
著者: 高木道子1 田中繁和1 泉正樹2 武田和久2
所属機関: 1高松市民病院検査科 2香川大学保健管理センター
ページ範囲:P.1215 - P.1218
文献購入ページに移動B型肝炎においてB型肝炎ウイルス(HBV)と肝炎との関係が明らかにされて以来,HBVの持続感染が問題となっている.今までHBVの感染性の有無はHBe抗原・抗体系の測定,DNAポリメラーゼ活性の測定,あるいは直接HBV-DNAの証明によっていたが,HBs抗原のポリマー化アルブミン・レセプター1)の測定も重要と考えられる.最近,その測定方法が種々考案され,Pontissoら2)の赤血球凝集反応によるもの,Machidaら3)のマイクロタイタープレートを用いたラジオイムノアッセイ(RIA)によるものなどがある.溝上ら4)および辻ら5)は酵素標識抗体法(EIA)を用いて,HBs抗原上に存在するポリマー化ヒトアルブミン(poly-HSA)レセプターを特異的に測定する方法を報告している.辻らの方法は簡便であるが,HBs抗体を固相に用いているので測定されたpoly-HSAがHBs抗原量に依存する結果を与える可能性がある6).今回われわれは,マイクロタイタープレートを用い,poly-HSAを固相化したEIA法によるHBs抗原上のpoly-HSA結合能の測定系を開発し,症例における経時的変化をも併せて検討したので報告する.
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