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HBc抗体検出用PHA法試薬の使用経験
著者: 安藤弘一1 中嶋佳子1 稲見正彦1 佐藤仁美1 笹原武夫1 舘田朗2 桜井富久子2 小林佳織2 沼崎義夫3
所属機関: 1国立仙台病院臨床検査科 2国立仙台病院外科 3国立仙台病院ウイルスセンター
ページ範囲:P.1227 - P.1232
文献購入ページに移動B型肝炎ウイルスの血清マーカーにはHBs抗原・抗体,HBe抗原・抗体,HBc抗体およびDNAポリメラーゼなどがあるが,このうちHBc抗体は血中において肝臓内のHBV本態のHBc抗原量と平行した動行をとることが知られている1).つまり血中HBc抗体の測定は,HBs抗原およびHBe抗原・抗体では知りえない肝臓内のHBVの増殖または鎮静を知るには欠くことのできないものである.しかし,HBc抗体の測定方法として従来CF2),IAHA3),RPHA-I4)およびRIA, EIA法などが開発されているがIAHA,RPHA-Iの二法は,HBc抗原をヒトの肝臓より得ているもので研究室レベルにてのみ使用可能であり,またRIA,EIA法はアイソトープを取り扱う施設を必要とするとか,操作が煩雑であるとか一長一短があり日常のルーチン検査として臨床応用にまで実用化されていない.今回HBc抗原を遺伝子組み換え操作法により大腸菌に産生させ,これをヒツジ赤血球に感作して作製したHBc抗体検出用PHA法試薬を入手できたので臨床検査室で使用可能か否か,およびその成績を検討したので報告する.
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