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文献詳細

雑誌文献

臨床検査28巻11号

1984年11月発行

文献概要

特集 産業医学と臨床検査 Ⅱ.有害因子と臨床検査 1 物理的因子

1 温度・湿度

著者: 岡田晃1

所属機関: 1金沢大学医学部公衆衛生学教室

ページ範囲:P.1294 - P.1297

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□熱交換
 人間を取り巻く環境の温度,湿度が有害作用を発揮するかどうかは,組織,体液に蓄えられた熱が,環境との間で交換されて体の熱平衡がうまく進行するかどうか,にかかっていると言える.人と環境との間における熱交換は,輻射(皮膚温より高い,または低い温度の表面との間),対流(周囲の気流速度が大きく,温度が低い条件でこれにより熱損失),伝導(物理的に直接接触している物体の間の熱交換はこの形式),蒸散(皮膚から汗として,また呼気により)という経路で行われ,尿,糞便排泄物によっても熱が放散される.したがって,この熱交換に影響を与える環境因子としては,大気の圧,温度・湿度,また伝導源が固体,液体の場合には温度,熱伝達率など,あるいは周囲にある壁,装置の場合はその表面における温度,反射,放射・吸収係数などが問題となる.
 ここで取り上げられる温度・湿度は,基本的にはこの熱交換に影響を及ぼすことでその有害性を発揮するものであり,時には健康障害を惹起する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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