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資料
16 江戸時代の珪肺
著者: 鈴木
所属機関:
ページ範囲:P.1401 - P.1401
文献購入ページに移動 写真は,代表的な職業病の一つである塵肺症のうちの,珪肺についての江戸時代の記録である.
当時の大葛金山主であった荒谷忠兵衛が文化8(1811)年に江戸の医者に出した手紙の一節で,金掘(鉱山労働者)特有な病気とされていた"よろけ"(今日の珪肺)の原因が,それまで考えられていたように坑内の照明用灯火の煙を吸ったために起こるのではなく,採掘している鉱石中の石粉や金属粉を,口または鼻から吸い込むために起こることを明らかにしているとともに,珪肺特有の呼吸困難を中心とする症状についても的確な記述がみられる.
当時の大葛金山主であった荒谷忠兵衛が文化8(1811)年に江戸の医者に出した手紙の一節で,金掘(鉱山労働者)特有な病気とされていた"よろけ"(今日の珪肺)の原因が,それまで考えられていたように坑内の照明用灯火の煙を吸ったために起こるのではなく,採掘している鉱石中の石粉や金属粉を,口または鼻から吸い込むために起こることを明らかにしているとともに,珪肺特有の呼吸困難を中心とする症状についても的確な記述がみられる.
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