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特集 産業医学と臨床検査 Ⅲ.産業医学に用いられる機能検査
1 血液検査
著者: 和田攻1 荒川泰昭1 余泰宏1 陳再生1
所属機関: 1東京大学医学部衛生学教室
ページ範囲:P.1466 - P.1473
文献購入ページに移動血液に関する検査は,種々の臨床検査の中でももっともアプローチのしやすいものであり,産業医学においても広く応用されている.
その大きな目的には二つある.すなわち,第一は,経気道あるいは経口的に摂取されたすべての化学物質は流血を介して体内諸臓器に運ばれる.したがって血液細胞はもっとも傷害を受けやすいものであること,さらに骨髄造血細胞は体内でもっともターンオーバーの速い細胞の一つで同様に傷害を受けやすく,かつその結果が早く表現されること,体内に侵入してきた外敵と戦う第一線の場であることなどにより,化学物質の全体としての生体影響をもっとも早く,かつ鋭敏に示しうることである.第二は,血液は血漿蛋白を含めて全体としての個人の栄養状態,その他の状況を総体的に表しやすいということである.
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