文献詳細
講座・リンパ球の検査・11
文献概要
はじめに
マクロファージ(Macrophage:以下Mψと略)はMetchinikoffの細胞性免疫現象の原型の発見以来,生体防衛の第一線の要員としてその重要性が指摘され,未梢循環中にみられる単球(mono-cyte)以外生体のあらゆる部分に分布していることが知られている1).今日では単に抗微生物活性,抗腫瘍活性としての異物排除の機能以外に免疫応答の引き金を引くもの,あるいは調節に働くものとして生体の恒常性維持(ホメオスタージス,homeostasis)に深くかかわっているとされている.
Mψ機能を効率良く発揮するためにまず,その活性化(activation)が要求される.生体内(invivo)や試験管内(in vitro)でMψを活性化する要因はいくつも知られている1,2)が,二大別すると感作T細胞が抗原特異的に活性化され産生・放出するリンフォカイン(lymphokine)に属するMψ活性化因子3)と感染微生物由来物質とになる.後者ではGram陰性菌の内毒素であるリポ多糖体(lipopolysuccharide;LPS)や結核菌膜成分由来のムラミールジペプチド(muramyl dipeptide;MDP)4)などをはじめとする細菌由来のアジュバント活性物質が含まれている.
マクロファージ(Macrophage:以下Mψと略)はMetchinikoffの細胞性免疫現象の原型の発見以来,生体防衛の第一線の要員としてその重要性が指摘され,未梢循環中にみられる単球(mono-cyte)以外生体のあらゆる部分に分布していることが知られている1).今日では単に抗微生物活性,抗腫瘍活性としての異物排除の機能以外に免疫応答の引き金を引くもの,あるいは調節に働くものとして生体の恒常性維持(ホメオスタージス,homeostasis)に深くかかわっているとされている.
Mψ機能を効率良く発揮するためにまず,その活性化(activation)が要求される.生体内(invivo)や試験管内(in vitro)でMψを活性化する要因はいくつも知られている1,2)が,二大別すると感作T細胞が抗原特異的に活性化され産生・放出するリンフォカイン(lymphokine)に属するMψ活性化因子3)と感染微生物由来物質とになる.後者ではGram陰性菌の内毒素であるリポ多糖体(lipopolysuccharide;LPS)や結核菌膜成分由来のムラミールジペプチド(muramyl dipeptide;MDP)4)などをはじめとする細菌由来のアジュバント活性物質が含まれている.
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