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文献概要
基礎科学からの提言・17
生体信号と雑音
著者: 塚原仲晃1
所属機関: 1大阪大学基礎工学部生物工学科
ページ範囲:P.1623 - P.1630
文献購入ページに移動はじめに
筆者が,研究室に入りたてのころは,脳生理学(これが筆者の専門分野であるが)は脳波全盛の時代であり,脳波計を前に,動物に電極を突っ込んで,終日,脳波を眺めて過ごしたものである.脳固定装置や,深部脳波記録もまだ珍しい時代のこととしてお読みいただきたい.
ある日,皮肉屋として有名な先輩がやって来て,「雑布からも脳波が出る」と言い出したのである.早速,先輩の目の前で雑布を取り出し,その中へ深部電極を突き刺したところ,何やら,脳波計のペンが描き出したのを覚えている.先輩は,驚いている筆者に「"脳波"は,脳から出るとは限らんぞ,よく覚えておけよ」との言葉を残して立ち去ったのが,いまだに印象に残っている.
筆者が,研究室に入りたてのころは,脳生理学(これが筆者の専門分野であるが)は脳波全盛の時代であり,脳波計を前に,動物に電極を突っ込んで,終日,脳波を眺めて過ごしたものである.脳固定装置や,深部脳波記録もまだ珍しい時代のこととしてお読みいただきたい.
ある日,皮肉屋として有名な先輩がやって来て,「雑布からも脳波が出る」と言い出したのである.早速,先輩の目の前で雑布を取り出し,その中へ深部電極を突き刺したところ,何やら,脳波計のペンが描き出したのを覚えている.先輩は,驚いている筆者に「"脳波"は,脳から出るとは限らんぞ,よく覚えておけよ」との言葉を残して立ち去ったのが,いまだに印象に残っている.
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