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文献詳細

雑誌文献

臨床検査28巻13号

1984年12月発行

文献概要

今月の主題 アポ蛋白 カラーグラフ

アポ蛋白異常症

著者: 山村卓1

所属機関: 1国立循環器病センター研究所病因部

ページ範囲:P.1666 - P.1668

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血清脂質は蛋白成分(アポ蛋白)と結合したリポ蛋白として血中に存在する(図1).リポ蛋白の代謝を制御しているのはこのアポ蛋白であり,アポ蛋白の異常は種々のリポ蛋白代謝異常症の原因となる.アポ蛋白はリポ蛋白の構造を維持する(A-Ⅰ,B)とともに,代謝に関与する酵素活性を修飾し(A-Ⅰ,C-Ⅱ),またリポ蛋白のレセプターの認識蛋白(B,E)としての機能を有している(図2).アポ蛋白の異常には,血中にほとんど認められない欠損症とアミノ酸組成異常による構造異常症がある(表1,2).前者のスクリーニングとしてアポ蛋白の免疫学的定量法(図3)や電気泳動法(図4)が用いられる.後者の場合は動気泳動法,特に等電点電気泳動(図4)や二次元電気泳動(図5)が効果的である.リポ蛋白の構造を保つアポA-Ⅰ,Bの欠損はそれを含む各リポ蛋白の欠損となり低脂血症を示すが,リポ蛋白リパーゼの賦活因子であるアポC-Ⅱの欠損は高カイロミクロン血症を呈し,またレムナントレセプターの認識蛋白であるアポEの欠損・構造異常はレムナントがうっ滞し,Ⅲ型高脂血症の原因となる(図2,6).
 —検査と疾患—「アポ蛋白異常症」参照

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1367

印刷版ISSN:0485-1420

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