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文献概要
講座・リンパ球の検査・12
インターフェロンの測定法
著者: 川名林治1 小西一樹2 佐藤成大3
所属機関: 1岩手医科大学細菌学教室 2岩手医科大学第3内科 3岩手医科大学細菌学教室
ページ範囲:P.1726 - P.1731
文献購入ページに移動古くから,2種以上のウイルスが,同じ細胞に感染すると,どちらか一方のウイルスの増殖が,他のウイルスの増殖を抑制するという現象が知られていた.これはウイルス—ウイルス間の干渉現象と呼ばれているもので,種々のウイルスの組み合わせについて観察されている.IFNは,この干渉現象の研究から,ウイルスの増殖を抑制する物質として発見されたものである.IFNという名前は"インターフェレンス(干渉)を引き起こすもの"を意味している.生体がなんらかのウイルス感染を受けると,IFNが産生されるが,IFNの産生はウイルス感染の数時間後に開始され,ウイルスの増殖に伴って,IFN価も上昇する.産生されたIFNは体液を介して周辺,あるいは全身の細胞に運ばれる.このIFNの作用を受けた細胞は,一時的ではあるが,速やかに(2〜6時間後),ウイルス増殖抑制状態に移行する.しかし,IFNの産生は長くは続かず,ウイルスの消失と相前後して低下していく.細胞の得た抗ウイルス状態もまた同時に消失する.感染したウイルスに対する特異抗体が上昇するのはその後であり,したがって,IFNは初回ウイルス感染時に,生体防御に働く重要な因子といえる.
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